先日衝撃的な状況がおこりました。
二連休の二日目、出勤したら入居者様の手の甲にとても大きな内出血が出来てました。
幸い痛みはないですが、やや腫れがあります。
前日に退勤した時点では内出血はありませんでした。
見た目からして、入居者様が自分でぶつけたような跡ではない。一見虐待のあとのようにも見えます。
私が前日に返った後、勤務していたのは夜勤者の女の子のみ。
20歳になったばかりの2年目の女の子です。
その子に内出血について伺いました。
この内出血について知らない?昨日は無かったんだけど・・・
彼女はこう言いました。
「たぶん私です。」
高齢者の皮膚は弱いから、大切にしなきゃいけないんですよ
彼女は、入居者様の大きな内出血は私のせいである可能性が高いと言いました。
その理由として、
『夜中にオムツ交換をしていて、体の向きを変えた時に手を掴んで引っ張ってしまった』
『時間がなくて焦ってしまった』
高齢者の皮膚は非常に弱く、ちょっと握っただけでも跡が残ったり、皮膚が破れてしまいます。
それこそ掴んだりしたら跡が残ってしまいます。
彼女は仕事は早いのですが、やや仕事に雑な部分があります。
時に言葉かけが悪くなってしまったり、強引にケアをしてしまうところがあります。
二年目としては頑張っているとは思いますが、時に気になる部分があります。
ケアに親指はいらない。親指は掴むための指
彼女に大切なことを教えてあげなければならないなぁと思う私。
俺の腕で血圧測ってみてー
彼女は、何の躊躇いもなく私の腕を掴んで持ち上げ、血圧計のマンシェットを私の腕に通しました。
私は彼女に言いました。
ケアをするうえで、親指を使うことはないんだよ。親指は、掴むための指だから。
相手は“物”じゃなくて、“人”。人を掴むっていうケアはありえないからね。
人に対して親指を使うのは肩揉みと爪切りの時だけにしてね。
彼女はいろいろと考えてくれたようです。
「私のせいで、内出血が多いんですかね・・・」
最近、施設内での内出血が多いのが気になっていました。多分彼女が要因でできた内出血は他にもあるんだと思います。
それでも、気づいてもらえたことは良かったんですかね。これからの彼女に期待します。
相手は人間。認知症だろうが寝たきりだろうが人として扱ってほしい。
施設職員の中にも、認知症の高齢者を「認知症だから仕方ない」、「あの人はボケてるから」
そういう話をしている人がいますが
認知症も寝たきりも人間です。ものではありません。
歩き回っている認知症の高齢者に「座ってて!」という人もいますが、人なのだから立ち上がるのは当たり前。
むしろなぜ立ち上がったのか理由を考えて上げかなきゃいけないんです。
夜眠れない認知症高齢者。認知症だからではなく、人なんだから夜眠れないことだってあって当然です。
夜眠れるように配慮してあげたり、眠れないときには落ち着いてもらえる関わりが出来るようにしなければなりません。
無理に寝かそうと思っても寝ないので、「いいから寝てて」とか言っても無駄だし余計不安になります。
寝たきりの入居者様は物ではありません。人です。
動けないから、何も言わないから、すぐ忘れるから適当に扱う、物として扱わず、人として接してほしいのです。