介護の現場では、利用者からセクハラを受ける場面があります
介護職の多くの方は経験したことがあるのではないでしょうか
特に女性職員は男性利用者に身体を触られる被害が多いです
男である私でも、女性利用者に下半身を触られたりして不快な気持ちになることもあります
女性のストレスはその比ではないでしょう
介護の現場では利用者と二人きりになる事も多く、密室でセクハラの被害を受けるケースも多いと言われています
しかし、事業所では「認知症だから我慢して」と穏便に済ませようとする傾向が見られます
今回はセクハラを受けた時に使えるアンガーマネジメントについてまとめていきたいと思います
衝動のコントロールを学ぶ
利用者からのセクハラについて考える前に、衝動のコントロールについて説明します
アンガーマネジメントは大きく三つのメソッドに分けられます
①衝動のコントロール
⇒怒りで反射をしないための方法
②思考のコントロール
⇒怒りと上手につきあうための心の持ち方、怒りにくい体質の作り方
③行動のコントロール
⇒怒りを上手に伝える方法
衝動のコントロールとは、思わずカッとなったとき、どのように対処するかについての考え方やテクニックのことです
衝動のコントロールには怒りのレベル分けがあります
反射的な言動は避ける
駅の構内でぶつかってきたのに謝らない相手に対して、思わずイラっとしたことはないでしょうか
怒りの感情が沸き起こったときに一番やってはいけないことは、反射的な言動です
怒りの感情に支配された状態では、事態をよくするための言葉はまず出てこないでしょう
それどころか感情が暴走して、取り返しのつかない結果をもたらしてしまうことがあります
感情が暴走しないよう、理性の力でとっさの怒りをコントロールすることが大切です
仕事を中断し、その場を離れる
前述したように、介護職は利用者にセクハラを受ける場面が少なからずあります
利用者へ注意しても止めてもらえない事もあります
この状態にイライラしながらケアを続けても、何もいいことはありません
こんな時は一旦仕事を中断し、その場を離れることが一番です
このままの状態ではセクハラはエスカレートし、職員のストレスも増幅してしまいます
この時、黙って離れるのではなく、「5分後に戻ります」などと断りましょう
離れている間は、セクハラのことは一切考えないようにしてイライラから気を逸らします
怒りをコントロールするために逃げるはあり
日本人は逃げることを卑怯なことだと考える傾向があります
ですが、怒りをコントロールするためにその場から逃げることは必要な事です
その場を離れることで冷静さを取り戻したり、気持ちを考え直すことが目的です
気持ちを整えなおした後で、担当を替えるなどの対策を講じましょう
最後に:セクハラを放置してはいけない
介護現場では利用者からのセクハラが少なからず起きています
しかし、大抵のセクハラ行為は「認知症だから仕方ない」「言っても無駄だ」と黙認されている状態です
一方で、嫌な思いをしている職員は必ずいます
私の同僚にもセクハラ行為のためにモチベーションを失い、介護業界から離れてしまった女の子もいました
セクハラを放置してはいけません
上司に相談する、対応方法を検討するなどして、職員が働きやすい環境作りをしていくことがいいケアに繋がります