一児の父になりました
さて、子供が産まれて、これから順風満帆な人生を送りたい、幸せな家庭を築いていきたいと思っていても、残念ながら離婚に至るケースが少なくないですよね。
平成24年の厚生労働省の資料によると、日本では1年に約23万組の夫婦が離婚しています。婚姻件数は約67万組なので、約3分の1の夫婦が離婚している計算になります。
参照:平成24年(2012)人口動態統計の年間推計|厚生労働省
とりわけ、近年は産後クライシスによる離婚が増えていると言います。
今回は産後クライシスについてと、産後も夫婦仲を保つ為に夫が出来ることをまとめていきたいと思います。
産後クライシスとその原因
産後クライシスとは出産後、急激に夫婦仲が悪化してしまう現象のことです。
産後の女性は体も心も調子を崩しています。ホルモンバランスが大きく崩れ、マタニティーブルーズや産後うつといった状態になる女性も少なくありません。
加えて、新生児のデリケートな育児が求められる中、夫の育児に非協力的な言動をしてしまうことで非常に傷ついてします。
そしてその後何年後も「私が一番大変だった時に何もしてくれなかった」と恨まれてしまいます。
上図のように、産後に離婚したいと思ったことがある女性は半数を超えます。産後クライシスはどんなに仲が良かった夫婦でも起こりうることだということが分かります。
夫が育児に関わるかどうかで離婚率が変わる
子育てに夫が携わると、夫婦のパートナーシップが強化されることによるメリットを享受できます。
出典:渥美由喜「夫婦の愛情曲線」アンケート調査(2002年)
上図は出産後の女性の愛情曲線を示したグラフです。
出産後、女性の愛情は子どもに向かい、夫に対する愛情は薄れてしまいます。
しかし、夫が乳幼児期までの子育てにしっかりと関わる事で、次第に妻からの愛情は回復します。
逆に、育児に関わらないと愛情は低迷し続けます。
「将来夫と離婚しようと考えたことがあるか」という設問に対し、「ある」と答えた人の割合を見ると、愛情低迷グループの潜在的熟年離婚リスクは72%でした。
これは愛情回復グループの0.4%の実に180倍になります。
男性の育児は、20年後の離婚を防ぐものでもあるのです。
夫婦喧嘩の原因はラストストロー
よく、「喧嘩するほど仲がいい」何ていいますが、夫婦円満である秘訣は喧嘩をしないことです。
「ラストストロー(最後の藁)」という言葉があります。
ラクダの背中にギリギリまで荷を積んでしまうと、最後に藁一本を追加しただけでラクダの背中が折れてしまいます。
夫婦喧嘩はこの最後の藁のように、些細な出来事で始まるケースが多いのです。喧嘩に至る前にパートナーへの不平不満が積みあがっており、それが些細なきっかけで爆発してしまうわけです。
夫婦喧嘩で「沈黙は金」ではない
夫婦喧嘩をしないに越したことはありませんが、子育て中の家庭ではいろいろな事件が起きますし、仕事のストレスの中で家庭のトラブルや夫婦で意見の相違があったときなど、夫婦喧嘩が起きるのは仕方がないと思います。
さて、夫婦喧嘩が始まってしまうと、「沈黙は金」とばかりに黙ってしまう男性がいますが、これは逆効果です。
押し黙っている夫の姿に女性はかえってイライラしてしまい、どんどんエスカレートすることがあるからです。黙っている夫を前に、女性の感情がヒートアップして「あの時もそうだった」と過去にさかのぼって怒りが拡大すると、いよいよ収拾がつかなくなります。
夫婦が仲直りするコツ
夫婦喧嘩は、お互いにルールや仲直りの仕方を前もって決めておくのがよいです。
例えば、喧嘩をするときには一方的にやりこめない、子供の前では喧嘩をしないなど。
夫婦喧嘩をした後に、仲直りのタイミングを掴めないこともあります。奥さんに対して改まって謝りにくいと感じたら、花を贈ってお詫びしたり、コーヒーを入れて一緒に飲むなど、言葉に頼らない仲直りの方法もあります。
そして、喧嘩をした後は必ず、子供の前で仲直りした姿を見せることは忘れないようにしましょう。子供たちは両親が仲良くしている姿が大好きなんです。
暴力は絶対にダメ
奥さんを殴る、暴言を吐く、一方的に性交渉を強いるなどの家庭内暴力はDV(ドメスティック・バイオレンス)と呼ばれ、夫のDVで苦しんでいる女性はたくさんいます。
DVは、被害者を肉体的かつ精神的に傷つけるのは勿論ですが、それを見ている子どもにも深い傷を残します。母親が殴られたり、怒鳴られたりするのを見ると、「自分がいけない子だからママが殴られているんだ」と感じます。
また、自分の気に入らないことがあったら暴力で解決すればいいと、子供に教える事にもなってしまいます。
夫婦喧嘩で感情が高ぶっても、絶対に暴力はしてはいけません。
口に出してはいけない禁句
男性のちょっとした一言で夫婦喧嘩に繋がってしまうことがあります。
例えば、奥さんがいろいろと話したことに対して、夫が「だからさぁ、それは〇〇っていうことでしょ?」、「それは〇〇すれば済むことでしょ?」などと言いがちですが、他人事のように発言されると奥さんはイラっとします。
男性のコミュニケーションは直線的で結論を求める傾向にあります。しかし、それをいかにセーブできるかが大事になってきます。
ほかにも、「結局大丈夫だったんだ、よかったね」といった、結果オーライの言い方をするのもNG。女性はプロセスの経過や苦労を認めてほしいのです。
女性が求めるのは「私を大切に扱ってほしい」ということ
まず第一に女性が求めているのは「受容」と「共感」です。夫が自分の話を最後まで聴いてくれて、喜びや悲しみの感情に共感してくれると心が満たされます。
続いて女性が欲しているのが、「私を大切に扱ってほしい」ということです。奥さんに自己重要感を持たせる働きかけをすることが大切です。
簡単なところで言うと、誕生日や記念日を忘れないのは当然ですが、奥さんがしてくれたことに対してお礼を言う、小さなことでも褒めるなど、日常の言葉かけで女性の心は満たされていきます。
マッサージなどのスキンシップも効果があります。
反対に、自分に関心を持ってもらえないことは女性にとって辛いこと。
夫に話しかけても無視される、適当にあしらわれるなどしたら、次に話しかける意欲が無くなります。
美容院に行ったのに髪型の変化に気づかないようではだめなのです。
パートナーを名前で呼んでみて!
パートナー同士では、「ママ」ではなく、恋人同士だった頃のように名前か当時のニックネームで呼んでみましょう。
「○○ちゃんのママ」、「お母さん」としか呼ばれなくなり、大人の女性として扱われないことで辛い思いをしている女性はたくさんいます。
男性としても、たまに「○○ちゃんのパパ」と周りに言われるのは嬉しいかもしれませんが、どこに行っても誰からも「パパ」としか呼ばれないとしたら、なかなかつらいのではないでしょうか。
せめて男性は奥さんに「ママ」ではなく、名前で呼びかけたいところです。
まとめ
冒頭でも述べましたが、子供が生まれ、幸せな家庭を夢見ていたとしても、ちょっとしたボタンの掛け違いで離婚に至るケースも多いです。
特に日本人男性は欧米に比べ家事・育児をしないという傾向も顕著です。
夫婦共働きが主流となった現代では、育児をしない男性は「いくじなし」と言われる時代になったのです。
核家族化が進み、子育てが「孤育て」になっている今、男性が仕事と子育ての両立を考える時代になったと言えるでしょう。