妻が妊娠25週目に入り、急速にお腹が大きくなってきました。
これまで目立たたないようにゆったりとした服を着てきた妻ですが、もうお腹を隠すことが出来ないほど大きくなってきました。
誰が見ても一目で妊婦さんとわかる体型です。けれども、妊娠してから一度も、妻は電車の席を譲って貰ったことはありません。
妻の悲しみのLINE
電車通勤の妻は酷く疲れている
妊娠が判明するまで、妻は介護士として働いていました。
毎日片道20分かけて電車通勤していました。
妊娠が判明したからといって、生活スタイルをすぐに変えられるわけではありません。育休を取得する為、妊娠25週になった今も同様の働き方をしています。
毎日往復40分の電車通勤を行う妻。仕事終わりは座れないことの方が多いです。
しかし、マタニティー生活も後半に入った現在まで、一度も席を譲ってくれる人はいません。
介護の仕事も身体が資本です。妻は軽介助のみの業務に徹してはいますが、それでも勤務終了後はへとへとです。
特に妊娠初期のつわりが酷い時期は、食べることも難しく家では横になる事しかできなかったです。
電車の中では、揺れで辛く、身体を扉に預けていたこともあったそう。隣の優先席にはサラリーマンが座っていたそうですが、譲ってくれる気配はなかったそうです。
我が家は最寄駅から徒歩10分弱の距離なのですが、電車を降りた妻は歩くことが出来ず、何度か私が車で迎えに行きました。家路の途中で吐いてしまったこともありました。
マタニティーマークを付けていることに意味はあるのか
妻は鞄にマタニティーマークをつけています。しかし、ほとんど意味のないものになっています。
本来マタニティーマークは、妊婦さんに対し優しい環境づくりを推進することを目的として2006年に厚生労働省が作成し、運用開始されているものです。
自治体で配布されるほか、関東の無人駅を除くほとんどの駅や、私の住む仙台近郊の駅でもマタニティーマークを無料で配布しています。
また、駅構内でもポスター等で妊婦に優しい環境作りを呼び掛けていますが、果たして効果はあるのでしょうか。かえって逆効果になっていることもあるようです。
マタニティーマークを付けることで嫌がらせを受ける人もいる
“マタニティーマーク”でネット検索をすると、なんとも穏やかではない内容がずらっと並びます。
・『妊婦が電車なんかにのるな!』と怒鳴られた
・わざと足をかけられた
・ホームに突き落とされた
・突然お腹を殴られた
これらは極端な例だとは思います。
しかし、本来妊婦の安全性と快適さを与えることを目的として作られたマタニティーマークが、かえって妊婦に肩身の狭い思いをさせてしまっているということになってしまっているのです。
私の妻も、妊娠当初はマタニティーマークを付けることを躊躇していました。
「幸せアピールと思われたらいやだ」
そう考えていたそうです。
妻のように、マタニティーマークをつけない妊婦さんも多いようです。
SNS上でも、こんな意見がありました。
発車間際にすごい勢いで駆け込み乗車してきた女性がね、なんか私の前に来て、マタニティーマークをやたら見せて来て、席を譲れアピールをしてくるのです。
引用元:Twitter
ぼくもマタニティーマーク付けてたら席譲ってもらえるかな
引用元:Twitter
このようにマタニティーマークに対して否定的な感情を持っている方も少なくないようです。
また、マタニティーマークが不妊に悩む方への配慮に欠けるという意見も見られました。
特に、同性の女性や結婚指輪を付けた男性からの心無い言葉は本当に悲しいものです。
相手を理解できる立場であるのなら、思いやりの気持ちをもってほしいものです。
マタニティーマークを考える社会になってほしい
私自身、妻が妊娠したことで初めて知ったことが多くあります。こんなにも妊婦さんが大変な思いをしているということを知りませんでした。
一つの命をお腹の中で育てている間、妊婦さんは体力的にも精神的にも大きな負担を抱えています。
また、妊婦は急な体調不良も起こりうるなど、予測ができない事態が発生します。これは周囲の助けが必要になりますし、周囲の助けを得るためにはマタニティーマークが必要だと思います。
妊婦さんはマタニティーマークを堂々と付けられる、周囲はきちんと理解できる、そんな社会になってほしいと願います。
マタニティーマークに関する嫌がらせなどのエピソードが目立ちましたが、中には
「つわりで辛いときに助けてくれた」
「わざわざ遠くから席を譲ってくれた」
といった暖かいエピソードも見かけました。
こんな暖かいエピソードで溢れる世の中になってほしいのです。