年齢を重ねると脳の老化によって物忘れが多くなります。
ですが、加齢に伴う物忘れと認知症は大きく違います。
物忘れと認知症の違いについて述べていきます。
加齢に伴う物忘れ
年齢を重ねていくうちに脳の機能も衰え、自然と物忘れが多くなります。これは仕方がないことです。
例えば「何を食べたか忘れてしまった」、「手帳をどこに置いたかわからなくなってしまった」などで、認知症の症状ではありません。
「食事をしたこと」や「手帳を置いたこと」は覚えていて、自分が忘れていることに自覚があります。こういった場合、日常生活に支障は最小限であり、記憶以外の障害が見られることもありません。
【まとめ】加齢による物忘れでは
・物忘れを自覚しています
・体験したことの一部を忘れてます
・ヒントがあれば思い出します
・日常生活に支障はありません
・判断力は維持されます
認知症の物忘れ
認知症の症状による物忘れの場合、行為そのものを覚えていません。
そのため、何を食べたかがわからないのではなく、食事を取ったこと自体を覚えていません。
また、手帳をどこに置いてしまったのかわからないのではなく、手帳を置いたことそのものを忘れてしまっているのです。
体験自体の記憶がないため、「さっき食べたって言われても食べていないんだ」と怒ったり、「どこにもやっていないのに私が無くしたように言われた」と話すことがある為、声掛けには注意が必要です。
【まとめ】認知症による物忘れでは
・物忘れの自覚がありません
・体験したこと自体を忘れます
・ヒントがあっても思い出せません
・日常生活に支障があります
・判断力が低下します
似ている様で全然違う物忘れ
記憶は
①記銘(情報を学習し覚える)
②保持(情報を記憶として蓄える)
③再生(情報を思い出す)
の三段階からなっています。
加齢による物忘れの場合、③の再生の機能が低下し、思い出すまでに時間がかかってしまいます。
一方で認知症による物忘れの場合、①の記銘が出来ないため、記憶の初期段階でつまずいてしまいます。
少し前の体験を忘れてしまうため、何度も同じようなことを尋ねるといったことが生じてしまいます。
自分の物忘れがどの程度なのか気になったら、以下のことを調べてみてください
①何歳ですか?
②今日は何月何日何曜日ですか?
③今の季節は?
④今日の朝食は何を食べましたか?
⑤今あなた何処にいますか?
⑥「桜」、「猫」、「電車」三つの単語を覚えてください。一分後に思い出してみてください
⑦100-7は?その数字からさらに7を引いたら?
⑧4桁の数字を思い浮かべ、逆から言ってください
⑨知っている野菜を1分以内に10個挙げてください
本人も家族も、物忘れがひどいと感じたら、一度専門医に受診してください。