持ち株決算振り返り&感想記事です。今回はINPEXとヤマハ発動機についてまとめました
【1605】INPEX(3.8%)
・23.12期の連結最終利益は前年同期比19.4%減の3715億円
・24.12期の連結最終利益は3300億円予想
・24.12期の配当を76円へ2円増配
〇感想
23.12期は第1Qから第3Qまで毎回上方修正がありました。結局第3Qで出した最終利益予想の3400億円も上振れて着地しました。期初の想定以上に原油と為替がプラスに働いたこと、想定していたイクシスの減損がなかったこと等が上振れ要因ですね
下のスライドを見ると、原油に関しては販売量は22.12期とほとんど変わっていませんが、平均単価が97.71円⇒82.83円に下落した影響で減益しています
(引用:決算説明資料)
次に、下のスライドは22.12期と23.12期を比較したスライドです。経常的要因を見るとやはり原油の販売単価下落で2706億円の減益を出していますから、油価に大きく左右されるビジネスだなぁと感じますね
(引用:決算説明資料)
一方で、原油が下落したことで法人税率の高いアブダビやノルウェーで減益したため、税金が戻ってきたという事です。その金額が1700億ですから、なんかもう桁が違います
一過性要因で見ると第3Qで減損を出したPreludeの損失が大きかったようです。ですが、見た目が減益してはいるものの23.12期も業績は好調でした。22.12期の外部環境が良すぎましたし、23.12期も過去二番目の利益ですからね
今期の最終利益は3300億円としています。一見減益に見えるのですが、今期より会計基準を日本基準から国際会計基準に変更としています。下のスライドは今期の業績予想ですが、(IFRS)と書かれています。一番左の縦軸の3715億円は23.12期日本基準の利益、その隣の3300億円の縦軸は国際会計基準に直した23.12期の数字です。
(引用:決算説明資料)
ようするに、会計基準を揃えると23.12期も24.12期もだいたい同じ利益になりそうだよ、ということです。為替を1ドル138円、油価を73ドルという見通しでの数字ですが、会見でも“保守的”という言葉を使っていました。期中での上方修正も期待したいところです
ちなみに、会計基準について日本と国際で何が違うのかを調べて見ましたが、よくわからないし理解する必要が無いと判断し思考停止しました。聞かれても答えられません。多分そんなに気にしなくて大丈夫だと思います
原油価格と為替の感応度が下のスライドです。原油1ドルの変動で60億円、為替1円で24億円の変動があるとのこと。22.12、23.12期の外部環境が良かったからいいのですが、悪化した時に減益はすごい事になりそうですね
(引用:決算説明資料)
株主還元ですが、今期は2円増配の76円とし、中期経営期間の総還元性向は40%以上としています。予想配当性向は約29%です。会見でも原油や為替を保守的に見ているとの事ですから、期中での上方修正、増配、自社株買いが来るのではないかと期待する次第です。そもそも、利益が横ばいの予想で増配してくれたことに感謝の気持ちです
さて、私はINPEXをちょくちょくNISA枠で投資しています。去年の中間決算で株価は2300円台まで上昇しましたが、その後は反転し現在は2000円前後、PBRも0.6倍台となっています。他の大型株が上昇してしまった為、相対的に配当利回りが高いようにも感じています
また、個人的に今回の決算で株主優待の廃止が発表されるかなぁと思っていましたが、それもありませんでした。優待は恐らくどこかのタイミングで廃止になるでしょうが、最後の一回を取れるようにコツコツ買ってもいいかもな、なんて思ったりしています
【決算振り返り&感想】
【7272】ヤマハ発動機(3.63%)
・23.12期の連結最終利益は前期比5.9%減の1641億円
・24.12期の連結最終利益は1750億円予想
・24.12期の配当を50円に増配
・発行済み株式総数の1.9%、200億円を上限とする自社株買い
〇感想
まず、ヤマハ発動機も会計基準を日本基準から国際基準に変更しています
23.12期の最終利益は1641億円で着地しました。昨年に続く高水準ではあったのですが、一方で通期予想の1800億円には届かず。決算後から株価は下げていますが、これが一つ要因なのかな?と思ったり
中間決算で通期の見通しを1600億円⇒1800億円に上方修正していましたが、結果的には上方修正する前の水準の方が近くなりましたね。それでも、売上高や営業利益は過去最高です
ホンダに次ぐ世界2位の二輪事業は出荷増、価格転嫁、円安で増収増益、2024年度の売り上げは更に伸びる見通しですが、利益は減るらしいです。市場在庫の増加と競合他社が値下げをしているのに引っ張られる予想とのこと
(引用:決算説明資料)
船外機やウォータービークルで世界1位のマリン事業も値上げと大型船外機の出荷増もあり増収増益です。こちらは2024年度も増収増益予想。金利や物価上昇が重しになるも、新モデルが今年の成長ドライバーになるとしています。下の写真を見てください。かっこいいですね
(引用:決算説明資料)
ジャックスなどの決算資料でも見かけたのですが、ベトナムの出荷台数が落ち込んでいますね。ベトナムはインフレ加速による景気不透明感が出ている様です。在庫水準も高く、来年いっぱいまでかかるとのことですね
(引用:決算説明資料)
海外比率が90%を超えていますし、事業的にも景気に左右されます。為替影響も大きいです。短期の業績がコロコロ変わる事もあるでしょう。そういう特性を理解しておきたいなと心に留めておきたいですね
ただ、個人的にヤマハ発動機は株主に対してかなり意識しているなと感じています。本決算できっちり自社株買いや増配の発表もありました。分割前の方が数字が分かりやすいですね。145円⇒150円の増配です
(引用:決算説明資料)
また、現在の株価についても「PER7倍台という水準は満足できるものではない」と述べています。決算資料にもスライドを用意していますが、このスライド下部の(ご参考)をクリックすると“株主・投資家との対話方針・取り組み”というページに飛ぶことができます
(引用:決算説明資料)
実際にリンク先に飛んだのですが、2022年度は253回の対話を行ったそうです。ちょっと対話し過ぎな気もしないでもないですが、大事な事ですよね
あと、ヤマハ発動機の好感を持てるところに、増配や自社株買いは無理のない範囲で行い、事業投資を行って収益性を上げることを重視しているなと感じます
現在の指標に満足せず、かといって力技で株価を上げるのでもなく、ちゃんと実力をつけて株価を上げていこうとしている姿勢に好感を持ちます。当然と言えあば当然かもしれませんが、最近は「クオカード1万円の株主優待創設!」、「発行済み株式総数の20%にあたる自社株買い!」みたいなIRもあるのでそう感じました
株式分割をしても優待廃止せず、利益も積みあげ着実に配当も増やしていていいなと。私の個人的な感想ですので、異論もあると思います
さて、私は年末の権利前に100株保有にし、その後の株式分割で300株保有になりました。半分は特定口座、半分は新NISA口座で保有しています。現在の株価は安くはないという認識ですし、優待権利にも丁度いい保有数なので一旦買い増しはしない方針なのですが、良い企業だと感じているので機会があれば投資も検討しようと思います
【前回の決算振り返り記事】
kooonyaaa.hatenablog.com
まとめ
今回はINPEXとヤマハ発動機についてまとめました。どちらも12月権利銘柄であり、今回本決算を迎えて増配を発表しています
個人的にですが、定期的な配当キャッシュフローを得るために12月権利銘柄を増やしていきたいという気持ちがあり、その中でこの2社は有力な選択肢だと考えています
特にINPEXに関してはそれなりに買い増し意欲があり、少し先にはなりますが6月の権利に向けて株数を積み上げていきたいですね。四半期ごとにまとまった配当を受け取れるようになりたいと思うところです
今回もここまで読んで頂きありがとうございました