介護施設では、家族からの「転ぶと大変だから歩かせないでほしい」という希望と、「本人の健康とADLを維持するためにできるだけ歩いてもらう」という施設の方針が異なる場合があります
また、職員の中でも、「おやつは食べさせ過ぎないで」という医務と、「おやつぐらい好きな物を食べさせてあげたい」と考える介護スタッフの意見が異なる場合があります
介護の現場は特に多様な人の様々な価値観が交錯しています
そして誰も間違ってはいません。皆、それぞれの思いを持って業務にあたっているのです
今回は施設での価値観の順位付けを行うことで働きやすい環境を作れるということをまとめていきたいと思います
組織としての優先順位が決まっていない場合、混乱が生じる
介護現場に限らず、多様性を重んじる現代社会では、価値観も十人十色です
定時で上がりたい人もいれば、残業もいとわないという人もいます
しかし、一人ひとりが自分の価値観を優先させてしまうと、意見がぶつかり合うばかりで組織としてのまとまりを欠いてしまいます
例えば、「お客様を大切にするべき」と、「チームワークを大切にすべき」という価値観に優劣がない会社組織があったとします
では、「大切なお客様の呼び出し」と、「重要な会議の出席」があった場合、どちらを優先させるべきでしょうか
組織としての優先順位が決まっていない場合、どちらを選んでも正しくはなく、間違ってもいません
どちらにしても迷いが生じ、混乱を生んでしまうのです
価値観に組織での順位をつける
混乱が生じるような仕組みでは、職員は働きづらさを感じてしまいます
多様な価値観が交錯する職場でできることは、組織としての優先順位を決めることが大切です
優先順位を決める方法はシンプルで、組織で大切にしている価値観を列挙します
以下、よく話題に上がる介護施設での大切な価値観です
・利用者の安全を最優先するべき
・利用者の希望は尊重されるべき
・報連相はするべき
・利用者へのケアは平等に行うべき
・定例会議には出席するべき
・一部のスタッフに業務が偏るべきではない
・時間内に業務を終わらせるべき
・経費は削減するべき
これらの価値観を職員同士で優先順位をつけ、全員の価値観を照らし合わせます
それぞれの職員で出した合計点が出れば、組織にとって優先順位が決まります
自分の順位と違っていても、組織の優先順位に従ってもらうようにします
組織の優先順位を決めておくと、職員の目指す方向が定まり、現場で混乱することも少なくなります
最後に:目指す方向性が定まることで、成果も上がってくる
介護施設では多職種が連携して業務に携わっており、多様な価値観が存在します
現場の職員は、利用者のケアを平等に行いたい
医務は、安全を最優先にしてほしい
ケアマネは、利用者の希望を尊重してほしい
事務は、経費を削減してほしい
管理職は、なるべく残業をしないでほしい
それぞれの思いが交錯しており、誰も間違ってはいないのです
ですが、全てを優先して行うのは無理があります
組織として方向性を定めることで、全職種が同じ方向を向いてケアを行うことができれば、ケアの質の向上や成果に繋がります
それが職員の働きやすい環境を作ることにも繋がるのです
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