12/28に住友林業に新規投資しました。一株から買付けし始めましたが、コツコツと買っていこうと思います
今回は住友林業についてまとめていきたいと思います
住友林業について
1691年に創業した企業で2023年に創業332年になります。創業当時は江戸時代、5代将軍徳川綱吉の時代です。歴史を感じますね
愛媛県にある別子銅山を住友家が開坑。精錬のための燃料や坑木に使う木材の調達を担う「銅山備林」を経営したことが始まりです
そこから200年後の1894年には別子銅山周辺の荒廃した森林を再生する事業を開始。大規模な植林事業を行ったことから、維持・育成・伐採、製材を行うようになりました
大正時代になると全国に事業を広げることとなり、1940年にはインドネシアに進出します。そして戦後の1948年に財閥解体により分割、その後の合併を経て住友林業となります
1990年には東証一部上場、現在は国内48社、海外408社の規模をもつ企業となっています
事業セグメント
住友林業の事業セグメントは以下の通りです
資源環境事業
⇒国内植林事業・海外植林事業・再生可能エネルギー事業
木材建材事業
⇒木材・建材流通事業、製造事業
住宅・建築事業
⇒注文住宅・リフォーム・分譲住宅・緑化・賃貸住宅・非住宅
海外住宅・不動産事業
⇒米国、オーストラリア、
その他事業
⇒介護サービス、宿泊事業等
植林から流通、製造、建設と、木材の川上から川下まで事業を行っています
住友林業は国内に4.8万ヘクタールの山林を保有しています。これは国土の800分の1であり、東京ドーム1万個以上に匹敵する広さになります。民間企業では大王製紙、日本製紙に次ぐ3番目の広さです
また、海外の山林保有面積は約22.9万ヘクタール保有しています。そして住友林業は国内の木材・建材業界でナンバー1の商社という側面を持っています。日本の木材自給率は41.8%と低く輸入に頼っていますが、2021年に起きたウッドショックによる木材の高騰や慢性的な海外の木材不足で価格が安定していません
こうした保有する山林を伐採、製造、流通し国内供給の安定化させる役割を担う企業でもあります
2021年度の売上高・経常利益構成比はこちら
2021年度は海外住宅、特に米国の市況が好調であり、売り上げや利益の大半を占めています。2003年から米国での事業を始め、積極的に事業投資を行った成果が表れた形となったのかなと思います
経常利益の推移をみても2021年度から急伸しています。2020年度のコロナからの反動で2021年度は米国住宅市場が旺盛だったことが起因しています
現在は米国、オーストラリア、アジアに進出していますが、利益の大半が米国であり、今後の動向には注視する必要があるでしょう
脱炭素化というメガトレンドが追い風
2015年に世界200ヵ国が合意して成立したパリ協定を契機に、世界中が脱炭素へと舵を切りました。日本は2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すこととなり、全ての企業が取り組む最重要テーマと言えます
この脱炭素という世界的なメガトレンドは、住友林業にとって強力な追い風となると考えます。住友林業は木材の建設を行っていますが、木材には吸収した炭素を伐採後も固定化する働きがあります
国の政策としても木材を建築に利用することはカーボンニュートラルの実現に貢献できるとし期待しています。林野庁のHPには建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量を分かりやすく表示する方法を示すガイドラインを定めています
参照:建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン:林野庁
コンクリート建築は製造過程で多量のCO2を排出しています。世界の産業別CO2排出量に占める建設セクターの割合は37%に及びますので、木材建築は世界的な潮流となるでしょう
実際に海外では木造オフィスの建築が進んでいます
2022/12/26には住友林業が米国の木造ビル開発の拡大に300億円を投資するというニュースもありました。今後は日本でも木造建築の潮流が流れてくると思いますので成長性に期待できると考えます
将来性について
住友林業は建設業と林業の性質を兼ね備えています。日本は少子高齢化の為、事業自体は縮小していく産業です。しかし、これは日本に限った話です
日本は先進国でも有数の山林資源大国です。そして世界は前述した通り木材不足によるウッドショックが起きる状況です。日本の森林資源は世界的なニーズがあり、繰り返しになりますが住友林業は国内ナンバー1の木材商社です
世界の人口は今後も増加していきます。家を必要とする人たちがたくさんおり、その家は潮流を考えれば木材で作られる事が大半でしょう。住友林業は森林保有面積を2030年までに50万ヘクタールに拡大する方針としており、将来的なニーズに先行して事業投資を行っています
現在企業を牽引している米国の住宅事業について、決算説明資料にはこのように記載されています。
・米国の人口・雇用成長の著しい都市圏において、子会社を通じて戸建分譲住宅事業を行っている
・住宅購入適齢層の人口拡大や、リーマンショック後の着工件数の減少による構造的な住宅不足などから、タイトな需給関係が続くと見られており、中長期での成長は十分に可能
この文言を信じるのであれば、次年度以降も売り上げは安定していくでしょうが、短期的には浮き沈みもあるでしょう。超長期的に見れば前述のとおり脱炭素のメガトレンドが追い風となり、業績を後押しすると考えます
日本としても木材を利用した建築物の建造を薦めており、いわば国策銘柄といってもいいのではないでしょうか。懸念事項としては林業従事者の担い手不足、林業のインフラが未整備な事でしょう。住友林業は国内に木造コンビナート(産業過程を一つの企業に統一する事)の設立を目指し、生産性の向上と安定供給を図るとしています。期待しています
財務状況
自己資本比率は30%台で推移しています。安定しているという印象です。利益剰余金や自己資本も年々積みあがっています。有利子負債も増えていますが、有利子負債倍率は1倍を切っています
(出典:IRBANK)
財務状況は問題ない水準かと思います
株主還元政策
住友林業の株主還元政策については「株主の皆様への利益還元を、経営上の最重要課題の一つと認識し、これを継続的かつ安定的に実施することを基本方針としております。 」と記述があるのみで、具体的な配当性向などには言及されていません
過去の配当性向を確認すると、ここ10年は20~30%程度で推移しています。今年は80円⇒125円に大増配をしていますが、配当性向は25%を予想しており、今後も安定して配当を出してくれそうです
過去の配当歴を確認すると、1998年以降減配はありません。25年以上非減配を続けています
ちなみに、2020年度に40円⇒35円と一見減配しているように見えますが、この年は決算月が3月から12月と4ヶ月早まっているためです。12カ月換算するとむしろ増配している計算です
連続増配企業ではありませんが、毎年安定配当を出すことで株主還元を行っているのは私好みです
株価について
2022/12/29終値は2309円です。配当利回りは5.41%。PER4.6倍、PBR0.71倍は指標としてはド割安だと思います。8/9の中間決算で45円の大増配を発表し、株価は大きく上昇しましたが、12/29に権利落ちを迎え株価は値を下げています
前述した通り、国内の林業は衰退産業です。少子高齢化により住宅着工件数は年々減少しており、木材は資源余り。供給>需要の状態ですね。そのため、割安のまま放置されているのかなと考えています
一方で、世界で見ると人口増加と木材不足により需要>供給と国内とは真逆の状態にあります。また、国内の需要も無いわけではありません
住友林業の2030年の目標は経常利益2500億円。これが達成されると見込むのであれば今の株価はやっぱり安いでしょう
色々と書いてきましたが
結論としては、私は今の株価であるならば一株投資を行いながら様子を見ていき、大きく下げるようなら購入ペースを上げていく方針でいます
現状は利益のバランスがいいとは言えず、今後も株価は浮き沈みがあるでしょう。景気敏感ですしね。ですので単元購入は控え、株価を睨みながらちょっとずつ株数を増やしていけたらいいのかなと思っています
非減配歴が長いと言うのは私の好みです。世界的なメガトレンドが業績を後押しすると期待しています。まずは100株目指して一株投資でコツコツと買っていきます
今後も不定期でブログ更新していきます
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