5/2に持ち株の三井物産とJTが決算を発表しました。今回はその内容と感想をざっくりとまとめていきたいと思います
※【】内は証券コード、()内は2023/5/3時点の配当利回りです
【2914】JT(6.41%)
・前年同期比で営業利益15.7%増、純利益16.6%増
・第1Qの進捗率は32.9%
・円安による為替益と値上げが奏功、たばこの数量実績も増加
○感想
かなり好決算だったという印象を受けています。円安による為替益と値上げによる効果で前年同期比を大きく上回り、売り上げ営業利益率は驚異の31%です。いやはや、えぐいです
(出典:決算説明資料)
他企業が値上げによる顧客離れを不安視する中、たばこはどんどん値上げし収益を上げられます。参入障壁のある企業の強みですね。世界的に見てもたばこの売上本数は増加したようで、注力している加熱式たばこのほか、紙巻たばこも増加したようです
たばこは先進国では需要減ですが、新興国ではまだまだ増加を牽引しているようですね。資料ではルーマニア、ロシア、トルコで伸長しているようです。現在でも世界で11億人以上が喫煙しており、喫煙率は低下するも人口の増加で喫煙者数は増えていくという予測がありました
やはり気がかりはロシア事業ですかね。世界大手のフィリップモリスが事業を撤退する中、なんだかんだでロシアでの事業を継続しているJTのしたたかさは株主としては頼もしさも感じます。今期は営業利益の25%をロシアが占める見込みとなっていますので、最悪のケースとしてはこの利益が無くなることも想定して投資判断を下したいと思うところです
また、2025年までに加熱式たばこに3000億円の投資をすることを先日発表していました。現在国内では加熱式たばこのシェアはフィリップモリス社が販売するアイコスが約80%を占めており、JTは完全に乗り遅れています
(出典:同上)
この日本市場のシェアを獲得していこうとしているところです。また、海外にも投資を進めるそうです。この事業投資がいいのかどうかは正直よくわかりません
加熱式たばこは受動喫煙対策だったり有害物質の少なさから広まりを見せているようですが、そもそも健康意識の高い方はたばこを吸わないでしょうから、世界的に広まるかはなんとも言えないかなと思っています。日本は健康意識が高いのでそれなりに加熱式のシェアを獲得することに意味はあるでしょうが、世界的にはどうでしょう。まぁ私はたばこを吸わないですから、あくまで個人的な意見です
なんにせよ、第1Q時点で81.5円のEPSを稼いだわけですから、この調子でいけば通期で300円程度まで上方修正するかもしれません。配当性向75%目安としているため、現在の188円からの増配も期待できるかもしれませんね。現在237株保有中ですがもっと増やしたいですね
【8031】三井物産(3.52%)
・23.3期は重視している基礎営業キャッシュフローは1.2兆超、純利益1.1兆超で共に過去最高
・23.3期を140円に5円増配、24.3期は更に10円増配して150円の配当を見込む
・24.3期は基礎営業キャッシュフローは8700億円に減益予想
・新中期経営計画にて株主還元を強化&累進配当を導入
○感想
こちらも素晴らしい決算だったと思います。一年前の本決算時には23.3期の配当について120円としていましたが、結果的に140円まで増配してくれました。22.3期から実に45円の増配です。そして24.3期はさらに10円増配の150円としてくれました
過去最高益を叩き出した前期と比較すると、今期は22%の減益見通しを出していますが、資源価格の上昇と円安による為替益がそれぞれ剥落することは予想できたことですので、特に何も気にすることは無いかと思います。むしろ、これだけ稼いだ年に2400億円という大量の自社株買いを行ってくれたので、十分に還元をしてくれたのかなぁという認識でいます
(出典:決算説明資料)
決算と合わせて新中期経営計画を発表しましたが、こちらも素晴らしい内容でした。なんといってもこのスライドです
(出典:新中期経営計画)
株主還元の割合を37%に引き上げ、そして累進配当の導入です。といっても、これまでも断続的に増配し、その額を下限としていたので、これまでも累進配当企業だという認識を持っていました。ですが、こうして改めて明記してくれると嬉しいですね
前述のとおり、今期は150円への増配を発表してくれましたが、これが下限となります。決算発表後に減益発表の影響からか株価は下落しましたが、もっと下がるなら単純に利回りが上昇していきますので投資妙味が増していきます。生活インフラを担う日本になくてはならない企業ですからね
そして自社株買いも積極的です。今期は実に2400億円分の自社株買いを行っており、3年間での株主還元総額は1兆円を超えています。下のスライドに“1株当たり年率12%で成長”と記載がありますが、驚愕の数字ですね。株主に報いてくれる素晴らしい企業ですね
(出典:同上)
事業も強みのある資源に加えて食料や素材、ヘルスケアなどの非資源にも注力し、事業PFの新陳代謝を図ろうとしています。毎回思うのですが、決算説明資料だったり中期経営計画だったり、三井物産が作るIR資料って本当に見やすいと思います。これだけでも株主を大切にしようとする意識が伝わってきます
さて、私はトータルで105株保有しているのですが、ネオモバイル証券で35株、ジュニアNISA口座で70株とやや中途半端な数字です。ジュニアNISA制度が終了する今年中に100株にしておきたいなと思っているとこ゚ろです。まぁ30株だけなので今買ってもいい気がしますが、、、
まとめ
今回は2社だけだったので、少し長めで私見が混じりまくった内容になりました。GW期間が明けると本格的に持ち株の決算が出てきます。日本の全ての企業が好決算を出すわけではないですし、景気は循環しますから、3ヶ月ごとの決算に一喜一憂し過ぎるのは良くないかなと思います
決算の内容は確認しますが、手放すことはありません。永続する企業なら業績は回復しますし、株主還元意識の強い企業なら保有し続けるだけで恩恵を享受できます。長期投資を心がけ、楽しく決算シーズンを過ごせたらいいのかなと思います
今後も定期的にブログ更新していきます
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